転職エージェントの限界とその注意点

エージェント活用の注意点

エージェントの活用は転職活動を成功させるうえで極めて有効であり、ぜひ使いこなして欲しいと思います。しかし、全てにおいて素晴らしいというわけではなく、当然注意点も存在します。また、応募者の中には自分の人生をかけた転職を事業、商売としてサポートされること自体に違和感を抱かれる方もいます。ですが、転職エージェントの利益と転職者の利益は一致していますので、注意点をきちんと理解したうえで使いこなせば良いのです。

希望のキャリアや条件の調整

まず、転職エージェントは転職者の希望を全て叶えられる存在ではありません。そもそも転職市場自体が、需要と供給のバランスで決まっており、転職者の方のこれまでのキャリアやポテンシャルによって選ぶことのできるキャリアの幅には当然限界があります。
もちろん転職エージェントはプロフェッショナルであり、どのような求人があるのか、各求人にはどのような人が採用されてきたのかを見てきていますので、転職者の方の限界がどの程度のところにあるのかもわかるのです。そして、転職を成功させるために、そのことで転職者の方を説得してくることもあります。寧ろ、これは転職エージェントの仕事の重要な一部といえるでしょう。場合によっては自分の希望が制限されたように感じ、面白くないかもしれません。しかし、客観的な意見として冷静に受け止める必要があります。

転職エージェント側のビジネスの都合

またこれは残念な事柄になりますが、転職エージェントのビジネスモデルは採用企業側からの報酬です。そのため、本来転職者の方にメリットがあるか否かとは別に、どこに採用されることが一番転職エージェント側にメリットが大きいのかという観点で転職を支援するインセンティブが働いてしまうのです。
また、転職エージェントの報酬額は採用者の年収に比例する場合が多く、転職希望者の方の年収が低い、今後も年収の高い求人から内定を得られる可能性が低いという場合は、転職エージェントによっては守備範囲外ということも起こり得ます。このような場合は無理に食い下がることはやめましょう。自分の状況にあったエージェントを見つける努力をした方が効率的です。

転職活動が短期決戦になりがち

これも転職エージェント側の都合になりますが、あまりに長期間のフォローを行うことはできません。基本的には3ヶ月程度が一つの目安となっています。もし期間内に希望の転職先を見つけられなかった場合は、他の転職エージェントの活用を検討した方が良いかもしれません。